胃なしケイコの【日日是散歩】(にちにちこれさんぽ)

36歳で胃がん(印環細胞癌)に 胃と胆のう全摘から10年目の記録

仕事のこと

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実はわたしは胃がんになったから会社を休職したんじゃなくて、胃がんが発覚したちょうど1ヶ月前からすでに休職していました。

なんだかいつも体がだるくて、全身に蕁麻疹が出るようになったり、夜も眠れなくなって、左胸が痛んだり・・・

ストレスで交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできなくなっていて、免疫力が低下しているのが自分でもわかったし、なんか変だったから、自分で心療内科に行き相談した。

胃が痛いんですとも言っていた。

お医者さんには「ご自分でそうやって気づいて早めに治療を受けようと思われたのはよかったと思います。眠れないと体力が奪われて、他の病気にもなりやすいですから、軽めのお薬を飲んで体を休めてあげましょう。早めに対処すれば、よくなるのも早いですから」と言われた。

 

なんだか心身ともに疲れていて限界を感じていた。

朝のミーティングに行くのにだるすぎて、自腹でタクシーで行ったりしていた。

周りの人たちからは「そんなに頑張らなくてもいいよ」ってよく言われていた。

 

もう、会社を辞めたいと思うようになってついに決心して退職願を出した。

誰に引き止めてもらっても聞く耳を持たなかったけど、この方からの一言で退職ではなく休職することにした。

過去日記 2011年8月21日 胃がん発覚3ヶ月前

休んじゃえば?

会社を辞める決心をしたわたしのところに取締役の女性が来て言った。

「ケイコさん、辞めるの?さっき聞いてびっくりしたんだけど」

 

わたしがなぜ辞めたいと言っているかとかは大体聞いたり、察しがついているようで

「とりあえず3ヶ月休職したら?辞めるのは本当に最後の手段。

休職して海外でも行ってきたら?

 

そうねぇ、最初の1ヶ月くらいは仕事のことが少しは気になるかもしれない。

でも、2ヶ月経つと急にブツッと何も考えなくなるわ。

3ヶ月遊んだらお金も無くなるし、気持ちもすっかり入れ替わってまた新たな気持ちで新しいポジションでやってみようって思えると思うわ。

 

女性ってホルモンの関係もあってバランスを崩しやすかったり、全力で常に頑張って急にバタっと疲れてしまったり、働き続けることって難しいと思うの。

だから、休み休み頑張ればいいんじゃない?

うちの会社はそいういうことをOKって言っているんだから、うまくバランスを取っていけばいいと思うの。

新しいポジション用意して待っているわ。」と言われ・・・。

 

仕事の内容云々、人間関係云々の前に、わたしが根本的にぶち当たっているう壁ってそこだったのかなぁとか。

あの方にそこまで言ってもらったら、心がまた揺らぐ・・・なんて思ったり。

 

しかし、わたしって占いで「お金は貯まりませんが、困りもしません。」とかよく書かれているけど、貯まった頃に出ていく。

3ヶ月休職して世界一周旅行にでも行ったらすごい勢いで減りそうだわね。

今こそ占いに行きたい気分。

 

過去日記 2011年10月27日 吐血2週間前

ゆっくりするのだ

先週から3ヶ月のロンバケに入った。

仕事は販売予測をしていたから3月の震災後から半年間特にしんどかったけど、会社も落ち込み続けた売り上げがやっと回復してきた。

9月の結果を見て本当に嬉しくてどこかの岩の上にでも登って

「やっったどーーーー!!!」って絶叫したいくらいうれしかった。

散々いろんな人と意見をぶつけ合ったけど、わたしが最後まで自分の意見を貫き通せた初めての月だった。

その月が前年を大きく上回る売り上げになったんだから、飛び上がるほど嬉しいに決まってる。

UKから会長が来た時、わたしを見て笑顔でガッツポーズをしてきた。

隣にいた人がボソっと「あんなそんな姿初めて見た」とつぶやいた。

わたしが休みに入るのを社長から聞いていた会長が

「ロングホリデーゆっくり休んで楽しんできてね。戻ってきた時の仕事は?今のまま?」って聞かれて

 

今の仕事はもうやらないけど、戻ってきた時に何をするかまだ考えられないって言ったら、後で社長と話をしてくれたらしく

「君が戻ってきたときに2つ新しい仕事を用意しておいたから、ゆっくり考えて」と言われ、社長にも後で呼ばれて詳しい話をされた。

 

なんだかワタクシごときにそこまでしていただけるとは・・・ありがたいやら、申し訳ないやらって感じ。

 

でも、この二人がわたしの進退について話をしてくれるなんて、わたしもそこまで頑張ったじゃんって自分で自分を褒めてあげよう。

仕事は全部引き継ぎ終わった。

最後の日は「ケイコ会」なるものをうちの部署とわたしに縁のある方たちが開いてくれてみんなでワイワイ飲んで楽しい締めくくりとなりました。

 

休みに入ってからも、最初のうちは仕事のいろんなことを思い出して思わず涙がボロボロ出たりなんてこともあったけど、最近はスイッチが切り替わりつつあり。

 

ジムの昼間のクラスに入会して汗をかき、前からやりたいと思っていたことをちょこちょこやり、しっかりご飯を食べて睡眠を十分にとっているだけでもずいぶん顔色が良くなってきた。

 

休む直前は母もギョッとするほど、顔が浮腫んできていたから。

ほんと、休んでよかった。

あれもこれもやりたいけど、とりあえずマイペースで。

部屋にはハワイ短期留学のパンフレットや、出来上がったら内覧に行く物件の書類があった。

過去日記 2011年10月28日 吐血2週間前 

Back to the 小学生

なんか、胃が痛い・・・

仕事休んでから胃が痛くなることなんて初めてだ。

胃が痛くなるようなことなんてしていないけどなぁ。

 

なんだろう?昨日ジムで配っていた水が合わなかったのか?

水を飲んだら刺すように痛かった。

 

今日ジムに行っても何をするにも体が重かった。

背中まで痛いので、夕飯食べてから胃薬飲む。

 

来週から台湾旅行だって言うのに、食べたいものがいっぱいあるんだ。

大事な胃袋よがんばれ!

 

午前中は心療内科でお医者さんからカウンセリングを受ける。

言われた通り、昼間のジムに通ってみて汗かいています。

夜も眠れるようになってきました。

バナナとヨーグルトも朝食べるようにしました。

眼精疲労で目の奥の方がずーっと痛かったのが、消えてきました。

来週から母と台湾に旅行に行ってきます。

 

などと報告する。

先生も体調が良くなってきたことを喜んでくれた。

3ヶ月といって焦って復帰しようとしないで、もっとじっくり休んでもいいかもしれないと言われたし、元の会社に戻らなくたっていいや位に思っていてもいいですよと言われる。

 

旅行はツアーじゃなくてよかったと言われた。

ツアーだと時間に追われて仕事をしているのと変わらない感じになっちゃうかもしれないからと。

もしもの時のために、薬は忘れずに持っていってくださいねと言われた。

 

それから、旅行から帰ってきてからもすぐに片付けをしなくちゃとか、何かしなくちゃと思わずに3日間くらいは寝ててもいいですからゆっくりしてくださいと言われた。

 

先にそういってもらえるとなんだか気が楽だ。

 

先生はわたしに小学生の時のような生活をすればいいんですと言う。

 

ご飯3食をしっかりある程度決まった時間に食べて、体動かして、遊んで、笑って、疲れたら早く寝る。

 

今はそういうシンプルな生活でいいんですよと。

 

今、確かにそんな感じ。

そして、やっと副交感神経が働き出したかと思える感じ。

眠くなってきた・・・まだこんな時間なのに・・・寝ます。


 

こうやって改めて過去の日記を読み返してみると、

体はずいぶん前からいろんなサインを出して

「休め!休め!このままだと取り返しがつかないことになるぞ!!」

って警告を出してきていたんだなって思う。

 

胃は昔から結構すぐ痛くなる方で、ストレスを感じるとシクシク痛くなった。

でも、病院に行っても「胃炎でしょう」って言われて胃薬出されるだけだったし、病院に行く時間ももったいないと思っていた。

この前の年の会社の健康診断でも「胃が痛いんです」って言ったら

「そうですねぇ。ちょっと白くなってますけど、胃炎でしょう」って言われたから、自分はストレスに弱くて、すぐ胃が痛くなってしまうタイプなんだって思っていた。

 

最後の方は今思えば、かなり痛かったはずなのに、自分の体に意識が向いていなくて、

感覚や痛みにも鈍感になっていた気がする。

そして、仕事を休んで体も休めてゆったりと過ごすようになり、ヨガのレッスンを受けた後に初めて激痛に気がついた。

 

coolpassion.hatenablog.com

 

結局3ヶ月の休職のはずが、11ヶ月の休職になって、復帰したのは2012年9月。

最初3ヶ月はリハビリを兼ねて、週3で時短勤務。フルで勤務できるようになったのは2012年12月でした。

仕事のことはまたそのうちに・・・

 

次は「術後半年経過」の日々です。 

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